贈られた花の添え文が手違いでここから消えてしまった。
簡単にして短い文、復帰できると思いきや
それも思い通りにいかない。
かって
環八、豊玉陸橋脇に麿赤児主宰する大駱駝艦の根城が在った。
根城の建築設計者の名を矢野真先生と聞き及んでいたが
お会いすることは無かった。
矢野真先生にお会いしたのは鎌倉、先生と画業の仲間の前田茶の紹介だった。
顔をあわせるなり「麿が、、、、」「駱駝艦の、、、、」と紹介者、画家前田茶先輩そっちのけで
意気投合した。
その後、
先生のご自宅を訪問した折、ワープロを目にした。
先生がご使用ではなく、奥様の物だそうで先日壊れたそうな。
なんてお馬鹿さんなのでしょうと奥様は飛んで消えてしまった内容を入力仕直したとのこと。
おそるおそる私は尋ねた。
何ページ位でしょうか?
4万ページ位かな。
日本語だけではないのでしょうね?
うん、彼女はフランス語が専門だし英文も含んでいる。
先生は頭に入っているのにこの機械に入れる必要があるのだろうかと
奥さんの行為をあきれ顔で先生が私に質問されたことを覚えている。
あまりの能力の差に私は返事に困った。
また彼女の兄より彼女は記憶の能力が勝っているとも先生はおっしゃった。
奥さんの兄上はフランス文学者澁澤龍彦とその時教わった。