6月19日。
国替えして早15年、岡村高明(享年41歳)を忍んで彼の弔いのために仲間達が企画しているキャンプに参加した。
奥多摩の秋川渓谷で毎年開かれているのだが私は初めての参加になる。
岡村は癌で旅立った。
若かったし、頑健だった彼は癌の進行が早かった。
メキシカンと渾名が付いていた彼は若いときに南米を放浪したと聞いている。
何れ彼の放浪話を聞こうと思っていたが残念、時がなかった。
岡村は命を受け、
仲間を率いてケンタウロスのサマーパティを三回、西伊豆黄金崎での実行委員長をした。
けして派手な存在ではない、寡黙にして実直な男だ。
彼の背中が皆をサマーパティの過酷な設営に力を結集し事を成し遂げた。
私は食器を洗うとき、岡村の親指をキュキュという音共に思い出す。
烏山に在ったレストラン風来坊の水場で彼が食器を片付けている。
洗剤とスポンジを使わないのは何故と問うと
食器に油が残っているか指の方が判断しやすいのですと教えてくれた。
そんなわけで 体に似合わない大きく太い指を思い出すのだ。
私は早めに引き上げたが
蛍が秋川渓谷は呼び物と聞いている。
時期が終わる頃だったのに夜半蛍が飛んだと報告を貰った。