6月20日は130本の薔薇と酒、それも必ずフォアローゼズが決まりだ。
旅だった者の腕に刻印130の我々の認識票であるブレスレットがあったからだ。
それは今は弔い人の預かりだ。
長身でGIカット、腰にはランボーナイフがさり気なくあった。
あの大きなナイフが体にあっても全く違和感がない。
扱いなれ、体の延長、一部になっていたのだろう。
最初に登場した折の口上(自己紹介)は短く、どちらかというと無言に等しかった。
少ない報告から彼の族名を
「骨」boneと名付ける事にした。
1987年,私はboneの骨をひろうことになった。
23回目の深夜、倶楽部ハウスは一瞬「能楽堂」になった。
見者二人の前に立ち至って
シテ役boneはランボーナイフの演武を披露し
消えた。
弔い人と私は 良きときに彼は退場をしたのではと
同じ思いを共感した。
北国の彼の故郷に遠乗りで訪ねる約束を交わして
弔い人は日常に戻っていった。