寄贈本『決定版西洋の魔術書』

創立者より

学研パブリッシングから ヘイズ中村著『決定版西洋の魔術書』が送られてきた。
近著『古典西洋占星術魔術編』に続く第二弾。
第1章奥義の書から第8章探究の書まで西洋魔術の世界がコンパクトに全解読されている。
なんと定価500円!
掲載56冊それぞれのDATA欄と主要参考文献は魔術に興味ある人に役に立つ。
8章の末にそれぞれColumuがある。
第4章錬金術の書編のColumuは「あのニュートンも錬金術に傾倒していた!」と題されて
20世紀末、ニュートンの生前の文書が競売にかけられその三分の一が錬金術関係だったと判明。
万有引力の法則、微分積分法、光のスペクトラム分析等発見を成し遂げた
イギリスを代表する自然哲学者アイザック・ニュートンは
すべての可能性を求めて魔術に行き着いたと著者ヘイズ中村は言う。
ニュートンの生まれる100年前は ルネッサンス期になるが
その時代は 実用とは学問であり 学問とは神秘のことであり
神秘とは細部の複合性のことだったと松岡正剛が述べている。
ニュートンは近代の幕を開ける人故、根底の精神基盤は隠され
死後200年後に全容が明らかになったということらしい。
第8章探究の書編に挙げられている『金枝篇』は私にとって
青春時代を思い出させる。
文化人類学者ジェームス・フレイザー著『金枝篇』が魔術書に選ばれて
いるとは知らなかった。
この本は私がギリシャ哲学に足を一歩、イヤ爪先を踏み込む機縁となった。